モスをあとに、プイィ・フュメのアレクサンドル・バンへ。
その道のり300kmくらい。高速道路を使っての移動です。
ロワールは横に長いですからね。
途中途中の道路標示も、ヴ-ヴレとか、モンルイとか、トゥーレ―ヌ、シュヴェルニー、カンシー…勉強したした。こういうところでもフランスに来てるんだなぁーと実感します。
高速を降りてサンセール、プイィ・フュメに近づくにつれ、またブドウ畑、畑、畑…。
本当にすごい。
アンジューが平地だったのに対して丘がでこぼこ…といった感じ畑がこう、こう、…。
麦畑もちらほらありました。
アレクサンドル・バンは、サンセールのセバスチャン・リフォーと公私ともに仲が良く、「普通」に流通しているロワールのワインからすれば、「らしく」ないソーヴィニヨンを造ります。
しかしその土地で生まれるブドウを完熟させ、その土地で生きる自然酵母の力でのみ発酵させ、厳密な濾過(ろか)も清澄もしない、場合によっては瓶詰め時の亜硫酸の添加もしないワインがなぜ「らしく」ないワインとされるのか。アペラシオンを失った経験もあります。でも彼らにとっては「真実」のワイン、私にとっても、本当においしいソーヴィニヨンのワインです。
彼らが造るワインを一度でも飲んだことのある人は、あのおいしさの虜になりますよね。
ワインラヴァーもそうでない方々も。いろんな方にドン!とはまる生産者NO1と言っても過言ではないのでは…?
アレクサンドル・バンには約束時間よりちょっと遅れて到着。
醸造所の扉には大きく「AB」。でも、鍵しまってる…あれ?
実はアレクサンドル、海外のイベント帰りの飛行機が遅れて帰ってこれず、お会いできなかったんです。残念。
でも急遽、奥さんのカロリーヌに対応していただきました。
カロリーヌもアレクサンドルと同じくボーヌの醸造学校出身。
華奢で小柄でかわいらしい方で、びっくりしました。
まずは灼熱の畑へ。
この日もフランスは熱波。畑で作業している人なんか見かけませんでしたねぇ。
彼らが所有する7つの区画のうち、ラルヴェ、マドモアゼル、グランザットを見せていただきました。
区画間は歩いてすぐだったり、農道1本はさんですぐ隣なのに、その土壌はさまざま。
すぐ隣の別のワイナリーの畑も目に入るのですが、耕してないからカッチカチ。
ラルヴェは土が茶色でふかふか、さらさら。馬が耕してくれます。小石がころころ。少し掘ると湿った土。石灰質が多い土壌。
マドモアゼルMはキンメリジャン(貝殻の化石を含む石灰質でプイィ・フュメでは珍しい)に砂と粘土が混じっていいます。白い石がいっぱい。
グランザットは土と砂と石灰が混じります。
各区画の土壌のバランスや土壌特性によって、ブドウ樹の暑さへの耐性やブドウの熟し方、最終的な熟度などに違いが出てきます。そのテロワールの違いを最大限に引き出すため、醸造方法や使う道具も変えるのだそうです。
醸造所の中には、大小のステンレスタンクと木樽がたくさん。
コンクリートに埋められたタンクもありました。
カロリーヌは話しながら脚立でガンガン樽に登っていくんです。
スカートだしドキドキしました。笑
試飲もいろいろ!
バンのワインを一度にこんなに飲めたのは嬉しかったです!
畑があんなに近くて同じソーヴィニヨンなのに、それぞれ個性があります。
プレシューズ2016は酸がピリッとしていて生姜の砂糖漬けのような余韻。
マドモアゼルM 2016はしょっぱいグレープフルーツ。
エルダンジュ36か月樽熟成は2014年VTでしたがまだソーヴィニヨンのピリッとした辛さががあったり、ナムルのような香りも感じました。
グランザット2015は酸化チックでマロラクティック発酵もしていてじわじわ旨い。カロリーヌは日本食に合うと思う、と言っていました。特に赤酢。
「B」は収量が8~9割激減した2016年と2017年にボジョレーやローヌ、ブルゴーニュ、アルザスなどのビオディナミ栽培のブドウで仕込まれたワインです。
ボトルの右上の数字はフランスの県の番号です。
日本でのリリースはまだこれから。
楽しみですね!
アレクサンドル・バンに行ってきました~とインスタグラムに載せたら、カロリーヌからコメントいただきました。嬉しいですね~。
これでロワールの旅は終わり、明日からボルドーです。
明日の朝は少しゆっくりなので、散歩がてら1人プラプラとパンを買いに行こう!
アレクサンドル・バンのワイン