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2023. 12

焼酎蔵訪問記 in鹿児島① 〜佐藤酒造〜

昨年に引き続き今年もとどろき酒店プレゼンツ焼酎蔵見学ツアーとしてやってきたのは、鹿児島県は霧島市にある代表銘柄「佐藤」を醸す佐藤酒造(有)です。

私自身初めての焼酎蔵見学だったので、ワクワクが止まりませんでした!!
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佐藤酒造は明治39年(1906年)に創業し100年以上の伝統を誇る鹿児島の伝統的な本格焼酎を作る蔵です。
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鹿児島中央駅に降り立ち1時間ほどバスに揺られながら、森の中を抜けて少しすると佐藤酒造は見えてきます。
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バスを降り最初に見えるのは自分の持つイメージとは裏腹に、まるで工場かと見間違うような3階建ての建物。
これが佐藤酒造です。
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今回案内して頂いたのは、現在杜氏をされている佐藤さんにして頂きました。
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鹿児島県内では年間の醸造量が小さな蔵では200石、大きな蔵では15万石と幅広くある中で佐藤酒造は現在年間4000~5000石を醸しており、これは県内の全焼酎蔵の中では中間の位置にあたるそうです。
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芋焼酎造りのスタートアップは米麹を作るところから始まります。
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蒸しあがったお米に種麹を混ぜ、白麹の第一発見者である河内源一郎の名を取った、河内式自動製麹機と呼ばれる機械に入れる事で米麹へと変化して行きます。
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この米麹造りを失敗したらリカバリーがきかないと言うほど、大事な工程です!
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そして完成した米麹に水と酵母を添加する事で1次仕込みの開始です。
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桶の中では発酵と糖化が同時に行われており、この仕込みは5日間かけて行われています。
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焼酎造りは生き物の飼育と同じと言ってた佐藤さん、その言葉通り仕込み4日目の醪ポコポコと動いており生き物そのものでした。
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そして5日間の1次仕込みが終わったあとは現在料の芋を入れての2次仕込みです。
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焼酎造りにおいて自分達が直接手を加えることは少ないため、2次仕込みの桶だけでも自分達で混ぜるようにしたという佐藤さん。造り手の愛情を存分に感じました!!
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次に見学したのは、原料となる芋を加工する場所です。
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ここでは、常に16人の方が芋の加工をしており、1人あたり1日平均約500kgの芋を加工するそうです。
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原料の大部分を占める芋のクオリティの追求をとても大事にしており、芋の隙間に入っている土や傷んでいる部分などの味に影響する部分は徹底的に除去します。
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”誰かに向かって仕事していることを1番に意識している”と佐藤さんは仰られていました。
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このようにして仕込まれた醪達は蒸留、貯蔵、熟成、濾過といった様々な工程を経て私たちの口元へと届きます。
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今自分達が造っている物が誰の元に届くのか、そして造った物に対してのリアクションがすぐには届かないからこそ、目の前の造りをいかに丁寧に行えるかが大事だと佐藤さんは言う。
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工場見学の後は佐藤酒造の代表銘柄『佐藤 黒』と今年蒸留した新焼酎、『あらあら酒 黒』をお湯割りにして試飲させて頂きました。
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作り方としてダメな例の焼酎▶︎お湯、オススメしているお湯▶︎焼酎のふたつの作り方でお湯割りを飲ませて頂きましたが”味が違いすぎる!!!”
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2つとも味わいは異なりますが、どちらも1口飲んでわかるほどにお湯▶︎焼酎の作り方では味のまとまりや原料である黄金千貫の素朴な甘さと風味の広がり方の違いを存分に感じることが出来ました。
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「見えない消費者が居ることを意識した仕事」や「焼酎の原料となるもののクオリティの徹底」を何度も力強くお話されていた佐藤さんの努力がこの焼酎達には間違いなく落とし込まれているのを感じました。
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これからますます寒さが厳しくなってくるこんな時期には、佐藤のお湯割りでホッと一息ついてみませんか?
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