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2026. 2

山廃造りに挑戦している大賀酒造へ話を聞きに行ってきました!

喜一郎くんと茶木(チャギ)さんの新体制で酒造りを始めて早三年。

今年のTAMAはなんと!山廃造り*に挑戦しているということで、早速話を聞きに行ってきました。

*山廃造りとは・・・日本酒の伝統的な製法「生酛(きもと)」造りから、手間のかかる「山卸(やまおろし)」という作業を省略(廃止)した「山卸廃止酛(やまおろしはいしもと)」の略称。自然の乳酸菌の力を引き出して酒母を育てるため、乳酸由来のコクや旨み、しっかりとした酸味が特徴の濃醇な味わいに。
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昨年仕込んだTAMAはお陰様で大変好評頂き、これまでの量では足らなくなってしまったため、今期は製造量を増やして仕込みを行っています。

使用するお米は、一本目の仕込みは糸島産の山田錦、二本目の仕込みは熊本県菊池市の契約農家さんの山田錦。少し小さめののタンク(2,000L)で二本仕込みます。

蔵にお邪魔した時、TAMAの一本目は絶賛もろみ発酵中で、二本目は山廃の酒母造りの最中でした。
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今年のお米は、去年・一昨年よりもコンディションがいいようで、粒が大きく、さばけもよく、蒸したお米からいい香りがするそう。

喜一郎くんが杜氏になってから始めて良い状態のお米で酒造りをするため、「良いお米ってこういうことなんだ」と感心すると同時に、良い状態のお米での仕込みに悪戦苦闘しているそうです。笑
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そしてチャギさんは、昨年の夏に広島県にある酒類総合研究所にて一ヶ月半の研修を終え、パワーアップして蔵に戻って来ました!
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今回はなぜ山廃造りに挑戦しようと思ったのか?喜一郎くんに聞いてみました。

大賀酒造の酒造りは、代々小値賀杜氏が担ってきました。
長崎県五島列島の北側に位置する小値賀島で、夏は漁をして生計を立て、漁のできない冬になると海を渡り酒造りにやってくる酒造り集団。

喜一郎くんも小さい頃はよく遊んでもらっていた記憶があるそうです。

小値賀杜氏が得意としていたのが山廃造り。現在も山廃造りに使われていたタンクが蔵の二階に沢山あるそうで、当時の大賀酒造は山廃のお酒が得意な蔵元だったそうです。

また、前任の宮崎哲成さんも山廃造りをやっていて、大賀酒造にはそういった山廃造りの系譜があり、せっかく酒造りに携わるようになったので、そのご縁も大事にしたいなと。

「ずっと頭の中には三年目は山廃っていうのは頭にあって。酒作りの経験を積んだ三年目に山廃に挑戦したいなと。それでTAMAを作れたら一番いいなと思ってました。」と話してくれました。
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造りの話を聞かせてもらったものの、実際に山廃造りの様子を見た事が無かったため、少し見学させてもらう事に。

こちらは今期一本目のTAMA。タンクの中で醪が発酵していますが、香りはとても穏やか。醪の表面は白い膜に覆われていました。

醪の発酵日数自体は、一般的な乳酸菌を添加する速釀造りと変わらないそうですが、その前段階の酒母の期間が大きく異なります。速釀造りの場合は、一週間程度。山廃の場合は、長ければ一ヶ月近くかかるそう。。。
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また、タイミングよく二本目のTAMAがちょうど酒母の状態だったので、こちらも合わせて見せてもらいました。

はじめは、麹米・蒸したお米・水だけを酒母タンクへ。
生酛(きもと)造りの場合は、お米を櫂棒ですりつぶして液状にするのに対して、山廃の場合は、麹米から滲み出る酵素の力を使ってお米を溶かしていきます。

麹米から滲み出た酵素をお米に染み込ませる作業が二日間、その後お米が柔らかくなってから一日3回の櫂入れを行うのが二日間。その後は、「暖気操作(だきそうさ)」と呼ばれる↓の写真内の器具を使用して酒母タンク内での温度管理を行います。

冷〜暖〜冷〜暖〜冷〜暖〜

温めて菌を増やして、雑菌が沸かないように冷やすという作業を繰り返し、乳酸が自然に沸いてくるのを待ってあげる必要があります。乳酸が働くとタンクの中の雑菌が死滅して綺麗な状態になり、ようやく酵母を添加する準備が整うそうです。
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当初、新ヴィンテージのTAMAのリリースは2026年1月末頃を予定していましたが、乳酸が沸いて酸が上がってくるのに時間がかかったため、発売は2月中旬頃になりそうです(現在庫が切れてしまったらごめんなさい)。

山廃造りで醸されている今期のTAMAですが、酵母・麹はこれまでTAMAでずっと使用して来たもので、現在発酵しているタンクの様子を見る限りでは、これまでと似たような発酵の経過を辿っているそう。

味わいの路線はこれまでと変わらず、もつ鍋、水炊き、焼き鳥、豚骨ラーメンなどなど、福岡の個性ある料理と一緒に楽しめる酒質を目指しています。

新ヴィンテージのTAMAのリリースまであと少し!お楽しみに!!!