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<毎日の晩酌に>45度くらいが好み

仕事で訪れた京都での空き時間、蕎麦屋に立ち寄った時のこと。

その店は熟成系の日本酒が中心のラインナップ。
カウンターでは昼時から先客も酒を飲み、肴を楽しんでいる。
僕は秋鹿の熟成ものをお燗でいただいた。
薄暗く凛とした空気の流れる蕎麦屋で飲む燗酒は体に染みいり、やたらと美味く感じた。

福岡に戻り、秋鹿の能勢福を買う。
一杯目はお燗で、その後は常温でだらだらと。
それまで秋鹿といえば直汲みの生酒を好んで飲んでいた。
インパクトのあるものが多い秋鹿の中で、能勢福は軽めで地味な存在だと思っていたが、
この地味さが良いのだとようやく気が付いた。
昨年、家で一番飲んだ日本酒はこれだったので、
晩酌にぴったりということだろう。

秋鹿
早くから米づくりから酒づくりまでの一貫造りにこだわってきた蔵。2019年の秋に訪れた際、蔵は相変わらずだったのですが、農機具類が格段にレベルアップ! 田んぼも20ヘクタール超え! 米づくりから力を入れる蔵としての基盤が、さらに整ってきていました。

*直汲み
搾ったお酒を一度タンクに貯蔵することなく、直接瓶に詰めたもの。

*生酒
日本酒の品質を保つためにされる加熱処理を一切行わないお酒のこと。

秋鹿のお酒



栃木のせんきんに行ってきました!

東京から電車を乗り継ぎ約1時間半、栃木県さくら市に「株式会社せんきん」はあります。

蔵の周辺は奥州街道沿いに宿場町として栄え、多くの商家で賑わっていたそうで蔵に眠っていたひな人形を飾り付ける「氏家雛めぐり」というイベントがこの時期行われており商店街の店先に飾られている華やかでかわいらしいひな人形が私たちを出迎えてくれました。

駅から商店街を歩いて抜けていくと独特な温もりとやわらかさを感じる栃木県産大谷石造りの外壁と石蔵が見えてきます。そうその建物こそが「仙禽(せんきん)」を醸す株式会社せんきんです。創業200年以上というだけあって積み重ねられてきた歴史の重みを感じます。

迎えてくださったのは11代目蔵元であり専務取締役の薄井一樹さんと一樹さんの弟で常務取締役で杜氏の薄井真人さん。二人ともお若いっ!

せんきんは「木桶」を用いて伝統的な製法である「生酛造り」*を再現しています。さらに、江戸時代の手法である「酵母無添加」のスタイルは「EDOスタイル」として超自然派な日本酒造りを行っています。また原料の米は完全な「ドメーヌ化」*を行い、蔵に流れる仕込み水と同じ水脈上にある田んぼで作っています。

蔵の中に入ると早速仙禽ナチュールが仕込まれている木桶が!

この桶は吉野杉で作られているそうで、この大きさの木桶を作れるのは現在大阪の会社1社だけとのこと。真人さんのお話によると吉野杉の板目にとても小さな空気孔が空いているそうでそのサイズと酵母の大きさがぴったり合うのだそう。その酵母はその穴に住みついて次のお酒造りにも役に立つのだそうです。びっくりな話ですね!

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<スイーツ>日本酒/独楽蔵 悠五年  “チョコとコシュ”

チョコレートと日本酒を組み合わせるということを意識したのは、まだ酒屋ではなかった20代後半のこと。

その頃福岡県酒造組合との仕事を担当していた私は、味にうるさい(味わうこと自体が人生の)酒造りのプロの方の話を聞くことが日常になっていました(たまたま担当した仕事だったので、今となっては幸運というしかない)。

あるとき杜の蔵の森永一弘さん(現蔵元)が、日本酒の古酒と合わせてカカオ比率たった数パーセントの違いのものをいくつも食べ飲み比べてるんだという話を聞き、へー、そんな細かな違いでそんなに違うものなのか。お酒の世界というのはまったくもの好きな世界だよなあ…と人ごとのように思っていたものでした。

バレンタイン前なので、そんなことを思い出しながら、今となっては基本的にテッパンと思われている古酒とチョコレートの組み合わせを改めて味わってみることに。

独楽蔵 悠 (はるか)五年に合わせてみたのは、
イタリアのチョコAと日本のカカオ成分72%のチョコB。

ちなみに成分はそれぞれこんな感じ。

チョコA…カカオ、きび砂糖、オレンジピール
チョコB…カカオマス、砂糖、ココアパウダー、ココアバター/乳化剤、香料、(一部に乳成分・大豆を含む)

お酒が常温の状態だと、チョコAがおいしい。
シンプルな材料で乳化剤が入っていないのでザクザクした食感、
オレンジピールのほろ苦さと古酒の酸が爽やかに合って心地いい。
チョコBはしっかり固まっているので、常温のお酒とは絡みづらい。
口の温度でしっかり溶かした上でお酒を含むといいのかな。

そのお酒をちょっとお燗つけてチョコBを合わせると、
口のなかでねっとりと絡まりあって、これはいい感じ。
チョコAとは、お酒の香ばしさでカカオの香りがさらに引き立ってこれまたいい。

食後にひと欠片と半合。
ささやかなようで、けっこう満足燗…感あります。


このイタリアのチョコはオレンジビール入り以外に、岩塩入り、シナモン入りなどあり、
とどろき酒店、薬院stand!店頭で販売中です!

杜の蔵のお酒



スタッフ研修で山口に行ってきました! 「三蔵目 貴(たか)編」by 水上

阿武の鶴酒造から日本海沿いを走らせ次に向かうのは山口県宇部市に蔵を構える「永山本家酒造場」。日本海側から瀬戸内海側へと山口県を縦に横断です。漁師町から徐々に山間の農村エリアへ、山口県の広さを感じさせられました。山間を走ってると大正、昭和感を漂わすレトロな建物が目に入ります。その建物こそ貴(たか)を醸す永山本家酒造場なんです。昔の役場を改装し事務所&物販ブースを設けてるスペースがなんともお洒落!タピオカが出てきそうなカフェに来てるみたい。

2階はホールになっており木桶で出来たテーブルなど所々に酒蔵らしさが散りばめられ、これまたお洒落ー!
そして柔らかなオーラを醸し出しながら永山貴博さん(通称ゴリさん)登場。

明治21年創業の永山本家酒造場。現在の代表取締役兼杜氏の貴さんになり、当時当たり前のように出回ってた活性炭濾過のお酒に疑問を持たれてました。そしてこれからの「貴」の方向性を決めるきっかけとなったのは2007年にフランスの自然派ワイナリーへ訪問したのが大きいと貴さんはいいます。自然派ワインの「造り手の顔が見える」ワイン造り、ぶどうが育った畑が感じられ人間臭さが伝わるワインに感銘を受けたそう。今、貴さんは農業法人を立ち上げて周りの農家と共に山田錦造りを行っています。地元の田んぼて育てたお米を地元の酒蔵が醸す。本来の日本酒が持つ姿を形にしようと挑戦しています。

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スタッフ研修で山口に行ってきました!「二蔵目 阿武の鶴編」

澄川酒造場に続いて訪れたのはレトロな街並みの中に佇む阿武の鶴(あぶのつる)酒造

蔵の裏手にあるという駐車場を探してしばし彷徨っていた僕らを案内してくれたは、笑顔が素敵な爽やかなお兄さんといった感じの三好隆太郎さん、1983年から33年間閉鎖していた蔵を復活させた阿武の鶴酒造の6代目です。

前職で内装の設計をしていたという三好さんは「もう少し人に近い仕事がしたい」ということで、ハローワークで千葉の酒作りの仕事を見つけそこから酒造りのキャリアが始まったそうです。個人的にとても意外だったんですが、酒造りの仕事はハローワークなどで普通に募集があったそうで、そこから埼玉、岐阜、青森と様々な土地の酒蔵で酒造りを経験して山口に戻ってきたとのこと。

初めは「ここで出来るとは全然思ってませんでした」と語る三好さんは、山口に帰ってきて県内の酒造りの先輩方と話していくうちにジワジワと「実家の酒蔵を復活させたい!」という気持ちが盛り上がってきたそう。

実家の蔵に戻ってきて最初の仕事は、巨大な物置と化していた蔵を少しずつ片付けながら”メイキングザロード”していくことだったそうで、現在は先代からの設備でまだ利用できるものは再利用し、新しく導入した冷蔵庫、先輩方から譲り受けたという設備でお酒を醸しています。

三好さんのお酒のコンセプトは「そばにあったら嬉しいお酒」。

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