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山形へ②イエロー・マジック・ワイナリー編

山形へ ① リンゴリらっぱ編はこちら

さて、翌日はワイナリー3軒を巡ります。
朝、宿泊した天童市から南陽市赤湯へ移動。
赤湯は歴史の古い温泉街。
赤湯では、今年9月に生まれたばかりの『Yellow Magic Winery(以下YMW)』と
東北で最も古いワイナリーである『酒井ワイナリー』を訪ねます。

YMWと聞くとやっぱり思い出されるのは、YMO(Yellow Magic Orchestra)ですよね。
代表の岩谷さんご本人は、どこかグルービーというか体の中にリズムが鳴っていそうに感じる方です。

YMW自体は若いワイナリーですが、岩谷さんのワイン造り歴は28年。
もともとアパレルメーカーに就職。したはずが、
そのアパレルメーカーが立ち上げたワイナリー部門(滋賀のヒトミワイナリー)でぶどう栽培をし、
ワインメーカーとなって当時日本ワインではほとんど見ることのなかったにごりワインを誕生させた超本人であり、
その後も大阪のワイナリーで醸造を担ってこられた、という独特なキャリアの持ち主です。

そんな岩谷さんが自身のワイナリーを立ち上げる場所として選んだのが、
ぶどう、特にデラウエアの産地として歴史のある南陽市(赤湯)。
岩谷さんの畑は、米沢から吹いてくる風が流れ、空気のたまりがない。
その風のおかげでぶどうの病気も出にくいので、ビニールの傘さえつけておけば、
農薬も、ボルドー液*もまく必要がないのだそう。
“自然派”と意識しているというよりも、
使わなくていいのであれば使わない方がいいよね。というスタンス。

聞くと、このあたりは古くから農業の先駆的な土地柄だそう。
隣に位置する高畠町は、有機農業運動の発祥の地。
その考えに共感してiターンする人も多く、そういう人を愛情を込めて“タカハタ病”と呼ぶのだとか。
またヒトミワイナリー時代からつきあいのある南果連(なんかれん)という有機のぶどうをつくる団体もあって、ステージの高いワインをつくるためのぶどうが育つ土壌がしっかりそろっている。
こういった土地の気風も、岩谷さんがこの土地に呼ばれた理由なのでしょう。

醸造所で一つ一つのタンクの説明を聞いていると、
「これは搾ってそのままでほとんど何もしない。このタンクもそう、2日に1回くらい櫂入れをするくらいでほとんど触らない。ここでタンクを貸してる奴(ワイン生産)もびびってるけどね(笑)」と、岩谷さん独特の“放置プレイ”醸造の様子が明らかに。その放置っぷりは、様々な自然派の生産者と接してきたボス轟木も驚いている様子でした。

ワインを造ってきて28年、造り方はどんどん手抜きになってきている。
「白い透明なの(ワイン)は違うだろー! ヤミ酒ってこんなモンだよね(笑)。 僕は、余韻が長いような、食べものを噛んでいるような味にしたいんだよ。トップがあってストンと落ちるようなものは造りたくない。とにかくぶどうを信じた造りをしたい。そのためには小細工なんて必要ないでしょう?」

確かに岩谷さんを“自然派”と括るにはどこかしっくりこない。
川釣り用のつなぎを着て大量のぶどうの実の中に身を投じ、体を捻りながら搾るという岩谷さんのエピソードが頭をよぎります。自然派というよりももっと本能的で、もっとフィジカルで土着的な、別の呼び名がないものだろうか、とあの日から探しています。

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香りを意識してみる。

閉店後の薬院stand!にわらわらと集まる男と女…
スタッフ勉強会の夜です。

とどろき酒店では不定期で、スタッフが講師役を持ち回りをし、
テーマや内容もそのスタッフが決める、という勉強会をしています。

11月頭の講師は、薬院stand!店長のカズー(石田)。
テーマは、『白ワイン品種10種の特徴 〜香り〜』でした。

白ワインの香りの表現としてよく使われるフルーツやナッツ、スパイスなどの実物を準備してずらりと並べ、実際に香りを嗅いでみる。
次に、白ワインの代表的なぶどう品種10種類(シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、リースリング、ミュスカデ、ヴィオニエ、ピノグリ、シュナンブラン、セミヨン、ゲヴェルツトラミネール、甲州)に特徴的な香りを確認し、最後にワインをブラインドテイスティングして品種を当ててみよう、という内容。

フルーツやスパイスを真剣に意識して嗅ぐというのは、予想以上におもしろい体験でした。
「このフルーツって思ったよりも香りは控えめだね」
「このスパイスくさいよ!笑」
ふだん何気なく食べているだけでは気づかなかった香りを拾えたりなど、
テイスティングにおける“意識する”ことの大切さを改めて感じたのでした。

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山形へ  ①リンゴリらっぱ編

こんばんは。
田中です。

先日11月の半ば、ボス(轟木)&つかちん(塚本)と山形に行ってきました。
山形は初訪問。飛行機が下降したところに広がる山々に雪帽子が見えて、到着前から「北に来た」(ダジャレではないです)のだと思い知らされます。今回は時間の都合もあって仙台空港に降り立ち、レンタカーで山形へ。

山形方面に向かっているとずっと遠くに見える高い山。福岡の盆地の風景とはまた違う山の景色です。ボスに聞くと「ここで高い山といえば、蔵王か“ちょうかいさん”じゃないかな」とのこと。それは山形と秋田の県境にある鳥海山でした。

山形正宗に向かうボスを天童市で降ろし、つかちんと私はさらに北上して新庄市を目指します。
この日第一のミッションは、当店で取り扱いのあるりんごジュースの生産者さん『リンゴリらっぱ』の佐藤春樹さんに会うことです。少し陽の陰り出した16時前、ほぼ予定通りにリンゴリらっぱに到着して、お話を聞くことができました。

リンゴリらっぱは、もともと佐藤さんの母方のお祖父さんが経営されていた『荒井りんごや』が前身です。佐藤さんは現在38歳。高校を卒業して会社員をしていたものの、なんだか違うな、と思い数年で退社。父方の実家の農業(伝承野菜農家 森の家)を手伝いはじめ、そこからは農業ひと筋。そして3年前には、母方の実家の家業である荒井りんごやも継ぐことに。お祖父さんがつくっていた生食用のりんごから切り替えて、環境に負担のかからない有機的なりんご栽培をしたい。そのために姿形、虫喰いなども気にならないジュース専用のりんご農家になろうと思い立ち、東京で仕事をしていた友人を誘っていざ、と動き出した約3ヶ月後にお祖父さんが他界。教えてもらいたいことが山盛りに残ったまま、りんご栽培素人の2人は置き去りにされました。そもそも果樹農家の少ない地域であり、生食用のりんご農家はいても、ジュース用のりんご栽培のことを教えてくれる人はほぼいません。冬の間の大切な作業である剪定ひとつをとっても、ここで切っていいのかな? どうなのかな? と木1本あたり3〜4時間をかけて文字通り手探りで切っていきます。芽吹く前までに、300〜400本を手入れをするというのは、一言で言うと「苦行」だそう。この寒い地域で、1年中作業のある果樹農家が少なく、冬は休めるお米農家さんが多いというのも頷けます。

佐藤さんのりんごの木を見せてもらうと、小さな実がたくさんなっています。摘果せず、小さな実をたくさんならすことで皮などの渋みを出すようにしているそう。生食用の倍くらいの実がついているので、もともと生食用だった木には負担の大きいなり方になっているので、これから少しずつ剪定によってコンパクトな枝ぶりを目指していくそう。その枝は横に伸ばすのではなく、上に伸ばしていく。地上で枝が上に伸びていると、土の中での根っこも下へ下へと伸びていっているという考え方だそうです。ワインのぶどうの木も、その土壌の様々な要素を得るために根っこをできるだけ下に下に伸ばすのがいいとされています。共通する考え方なのですね。

この小さな実の品種は、なんとふじ。普段食べているふじとは見た目も、そして味も違います。甘いだけじゃない、酸味と渋みもほどよくあって個人的にはとても好みの味です。現在栽培をして商品になっているのは、ふじ、さんさ、ほくと、紅玉、青りんご、の5種。それとは別に、シードル用品種をジーンバンクから取り寄せて、約60種類ほどテスト栽培しているそうです。実は佐藤さん、2年前からりんごのお酒、シードルもつくられているんです(委託醸造で)。シードルの話をする佐藤さんの言葉に熱がこもっているのを感じ、「お酒がお好きなんですね」と尋ねると、ニヤリ。やはり、とこちらもニヤリ。

「じいちゃんも家でりんごを自然発酵させたりんご酒をつくって飲んでました。自分で育てたりんごでお酒をつくるっていうのはいいよなあと。だからりんごでお酒をつくるっていうのはじいちゃんの夢でもあるんですよね」

将来的には自分たちで醸造までできるように、そしてそれをさらに蒸留してカルバドスなんかもつくってみたい。わくわくする未来構想を聞いて、田んぼのなかにぽつりとあるりんご畑を後にしました。

行ってきました!とどろき酒店 焼酎蔵研修 3/3(国分酒造)

中村酒造場萬膳酒造)につづいて、3軒目の蔵、国分酒造へ。

先程見てきたなかむら、萬膳の蔵と比べると大きさが違う!
前の2軒は【手造り】という雰囲気がひと目でわかる蔵で、
国分酒造は【工場】といった感じでまた違ったワクワク感。

まず代表である笹山さんの歓迎を受け、国分酒造の歴史や商品の話へ。
そこに登場されたのが安田杜氏。
これまでリリースされたアイテムの説明とどういう思いで造ったなど話や裏話などもしていただきました。
そしてお楽しみの焼酎のテイスティング!やはりどれもおいしい。

その後は工場の見学。
敷地内にはドデカイタンクがいくつもあり、発酵中の香りを嗅がせてもらう。
すごくフルーティーでいつまでも嗅いでいられる香りが広がっていました。
他にも使い方が複雑、簡単なものを分けるために♂と♀マークに分けられた蒸留器や蔓無源氏の株など面白いものを見せていただきました。

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行ってきました! とどろき酒店 焼酎蔵研修 2/3(萬膳酒造編)

つづいて2軒目は、萬膳酒造さんへお邪魔させていただきました。
『山小舎の蔵』というだけあってほんとに山奥。
自然に囲まれて蔵の横には川が流れており、蔵を訪れた人をもてなすための素敵なゲストハウスも。
川でヤマメ釣りやゲストハウスの前でバーベキューしたり….
心の底から泊まりたーい!! と思うような素敵な所です。

まずはゲストハウスでお話を聞かせていただきました。
萬膳酒造は創業大正11年ですが、酒造りは一時休業し、酒屋業に専念していたそうです。1999年に30年ぶりに蔵を復活し、黒麹で仕込む萬膳、黄麹で仕込む萬膳庵、白麹で仕込む真鶴(まなづる)を造っています。

『萬膳』とはよろずのお膳という意味で、どんなシチュエーションでも飲める焼酎という意味が込められているそうです。

『真鶴』は、鹿児島にマナヅルが飛来して来たのが確認されてから出荷される限定焼酎。

黄麹で仕込む『萬膳庵』は木樽から出るチョコレートやバニラ、ココナッツのような香りや樽から出る甘みや複雑味を個性として伸ばしていきたい焼酎。
それぞれに個性がありますね。

使われている芋は全てコガネセンガン。霧島エリアは芋は採れにくいといわれる土壌ですが、水の柔らかさが、まろやかな酒質に大きく影響しています。
私たちもちょっと飲んでみました。

「うん、柔らかい!」

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