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フランス行ってきました② レイナルド・エオレ

昨日は調子にのってしまいましたが、目覚めはすっきり。
朝ごはんももりもり。
その日のホテルの朝食はレバーのテリーヌがガッツリありました。
朝からこれは食べきらん~と思いつつも、食べちゃいましたよね。
ワインもあったらよかったのに。

パリから車で3時間ほど、アペラシオン的にはオルレアンのレイナルド・エオレへ。
訪問1件目ということもありワクワクが募ります。

レイナルドは毎年注文して入荷もするのですが、飲み頃が難しいイメージ。
ポテンシャルが十分に引き出されるのに時間がかかってしまうのです。
でも数年~寝かせたワインをぜひ味わってほしい。
今、2011~2012年ヴィンテージの、いい感じのがあるんですよ~。
ご興味ある方はお早目にお問合せください。

AOCオルレアンは2006年に新しく認定された区域ですが、レイナルドのワインは品種のブレンドや醸造方法が馴染まないため、AOCの申請をせず全てVdFで仕込まれます。

総面積5haほどの畑を1人で管理。
ロワール品種に限らず、アルザスやジュラ…あたりの、現在は14種が植わっているそうです。
ロワール川左岸の畑はワインにカッチリとしたミネラルを与えるシスト土壌。
右岸はシストに加えて、ふくよかで香りも深みもある味わいを生む石灰質・粘土質が多く含まれており、大きく異なる2つのテロワールからそれぞれ特徴豊かなワインが造りだされます。

そして、醸造も基本1人。
彼自身、神経質で頑固な性格を自覚していて、人を雇うより1人で作業をする方が楽なんだそう。
ちなみにインポーターさんの紹介では「誰の群れにも交わらない!俺流で唯一無二のワインを追求する孤高の天才!」
でも実際に会うと、ニコニコされていてしかも相当かっこいい。

カーヴは1階と地下に分かれていて、階段を下りたところにあるセラーはひんやり。やっと涼しい~。
余談ですが、樽の移動も1人でなんとか上げ下げしているそうです。すごい。
ちょっと隣を覗くと鍋やいろんな調理器具がぶら下がっていて。
レイナルドさまのお料理、めちゃくちゃおいしいらしいんです。特にキノコの採れる時期。いつか食べたい。

早速試飲させてもらいました。
まずは樽で熟成中の2018年と2017年、赤白。
「あ、おいしー」
果実味があってクリアで、素直においしい。
でもなんか、「レイナルド・エオレ味」ではない…。

続いて瓶詰めされた2016年や2014年の赤白。
お?果実味が控えめになって、鉱物的な感じが出ているのにスルスル感も増していて、口中に染みる優しさ。なんか、ものすごくバランスがいい。する〜と入る。飲んでいて気持ちいい。

レイナルドのワインは基本的に長期樽熟成。彼にとっての瓶詰めのタイミングは、ブドウの果実味が熟成によって削ぎ落とされ、果実味に隠れていたミネラルが表に出始めたときなんですって。

え、なんて?果実味を削ぎ落とす……?

「一般的なロワールのワインはフレッシュで果実味がエレガントで飲みやすい。でもその一方で、熟成が短いために果実味のその奥にあるミネラルが見えづらく、私には少々暴れたワインが多い」んですって。

ワインに求めるものは「ミネラル」と「フィネス」と「複雑さ」。
彼自身、それが自分で飲みたいワイン。
フィネスは洗練されていて質感や骨格のバランスがいい、というところでしょうか。
品種をブレンドすることで、一般的なロワールワインにはない複雑さと面白みを出しています。

レイナルドは熟成による違いを知ってほしかった、と言って樽からのワインと瓶詰後のワインを飲ませてくれました。
繰り返しますが、今、彼の個性が光る2011~2012年ヴィンテージの、いい感じのがありますよ~。

レイナルド・エオレのワイン