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Sachiko Tejima

Mika Tanaka

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Kano Nakashima

ワインと料理のはなし – 1

レヌッツァ、柑橘、ちょっとスパイス

March 31, 2019
From: 手島幸子
To: 田中美佳
Subject: いざ、抜栓!

美佳ちゃん

こんばんは。お待たせしました。
福岡のとどろき酒店から、浅草のテジめしに届けられたワインたち。
長旅の疲れを癒してもらったところで、
今晩、料理に合わせてみました。

まずは、白ワインのフリウリの「レヌッツァ」を抜栓。
グラスに注いだ一杯目は、
最初に草っぽいソーヴィニオンらしい香りがして、その後に香ばしさが。
瑞々しい酸味も程よく(酸っぱすぎず)、おいしい。
抜栓したばかりなのに、体に馴染むようにスルスルと飲めちゃいそう。

料理のスタートは、「アスパラガスの春巻き 花椒塩添え」。
アスパラガスを生のままスライスして、春巻きの皮で巻いて、
多めのオリーブオイルを入れたフライパンで
皮目に香ばしい焼き色がつくまで焼いたら、できあがり。
春巻きの皮の中でアスパラをスチームして、
旨みを封じ込めちゃいます。

これは、八百屋で元気なアスパラを見つけると、まず作りたくなる料理!
焼き上がりに花椒の塩を振りかけると、
食べた瞬間、アスパラのうま味がジュワッと口の中に広がった後、
スパイシーな花椒が甘みを引き出し、ワインとの相性ばっちり。
レヌッツァのさわやかな切れ味が油分を拭い去ってくれる感じ。
春巻きの皮からアスパラのグリーンが透けるのも、食欲をそそるの。

もう少しレヌッツァを飲んでみようと、
「オレンジとトマトのマリネ」も。
アスパラも入れて彩りも鮮やか、
粒マスタードでアクセントをつけて。
春から初夏にかけて大好きな組み合わせです。
最初の春巻きで、レヌッツァがアスパラと合うのは確認済みだったけど、
なんと! 
オレンジに響くー!!
どうやらこのワインは、甘酸っぱい感じと相性がよさそう。
調子に乗ってクミンシードをひと振りしたら、これまた洒落た味に。
レヌッツァをひと口飲んだ時の香ばしさの印象から、
鶏のグリルと合うかもと思ったんだけど、トマトとオレンジを刻んで、
オリーブオイルでマリネしてソースにすると、
季節感たっぷりの素敵なメイン料理になっちゃいそう。

今日は白だけにしようかと思ったけど、
せっかくなので、赤ワインのボージョレ―の「カリーム・ヴィオネ(KV)」も抜栓。
ちょうど飲み頃の温度だったけど、あまり香りがしなかったかな。
ただし、お味は抜栓していきなりおいしい。
果実感はあるけどやさしい味で、料理に合わせやすそう。
テジ旦那と二杯目にいきそうになったけど、
イメージを膨らませつつ、明日の楽しみに(固い決意!笑)。
レヌッツァもKVも、次が待ち遠しくなるワインだね。
では。

テジマサチコ

April 02, 2019
From: 田中美佳
To: 手島幸子
Subject: 夜の台所実験室で
日向夏は、皮を剥くときの香りがたまりません。
この相性のよさに、レヌッツアのぶどうを掴む手がOKサインに見えてきました。

幸子さん

こんばんは。
メールありがとうございました。
私は今日はロングドライブで、妹一家が住む、宮崎のえびのから帰ってきました。
途中、イベントでもお世話になったことのある、太宰府のうどん屋さんへ。
そこでいただいた、季節野菜の天ぷらが絶品でした。

さて、遠出で疲れた今夜は、簡単に干物を焼こうということになり、連子鯛と鯵を。
これは仕方がない…、と
高知の日本酒「土佐しらぎく」の新酒を冷蔵庫から取り出し、コップに半分。
あー、幸せ。

しかし、今夜はこれだけでは終われません。
幸子さんのメールにあった、
レヌッツァと花椒の組み合わせを、どうしても試してみたい!
夕食後の台所で、いざ実験。

簡単に試せるものを、と、
ストックしてあった鶏もも肉2枚を取り出し、
1枚には花椒を、もう1枚には五香粉を。
片栗粉を軽くまぶして、多めの油で揚げ焼き風にしました。
そこで、宮崎で買ってきた日向夏とレモンを添えて…。

結論:(花椒or五香粉+油+柑橘)×レヌッツァ=止まりません!

試食のつもりが、
あやうく明日のお弁当のおかず分まで侵食してしまいそうに。
開けたてのレヌッツァの酸がたっていて、鶏の脂とよく合う!
柑橘は、やっぱりレモンのほうが締まりますし、
レヌッツァのレモングラスの香りと合わさり、どちらも引き立て合いますね。
日向夏はやわらかい酸味なので、
そのまま食べて、レヌッツァと合わせてもいいくらいです。

余談ですが、日向夏は、紅芋焼酎のソーダ割にも合うんです!
まず、日向夏を口に入れて、それから焼酎ソーダを飲む。
この順番が大事だと、鹿児島の大和桜の杜氏テッカンさんに教わりました。

オレンジとプチトマトのマリネも魅力的です。
またまた、夜の実験室を開かねばいけません!
そして私は、まだKVを置いてきぼりにしています…。

台所から見えるハナミヅキ。
今年はピンクと白のコンビ色の小さな花を咲かせました。
去年は葉も花も大きくて、花の色は白。
同じ木でも年によってこんなに違うんですね。

美佳

April 03, 2019
From: 手島幸子
To: 田中美佳
Subject: 柑橘パラダイス
上:唐津の友人宅にある橙の木。採れたての果汁でポン酢。香りよく贅沢な春。
下:唐津の商店街の魚屋で、玄界灘の新鮮な魚がてんこ盛りなのに釘付け。

美佳ちゃん

長旅、お疲れさま。
以前、春先の唐津を旅したことがあるんだけど、
どこに行っても柑橘がザクザクあって、種類も豊富。羨ましい限りです。
柑橘好きの私としてはパラダイスで、
あれもこれも送りたいって言ったら、送料のほうが高くつくって笑われました。
なので、日向夏の写真、柑橘ラブな私は釘付け状態よ。

それにしても、「日向夏を口に入れて焼酎ソーダ」。
エレガントで豪快。
さすが柑橘の産地だけあって、使い方のバリエーションも素敵ね。

そして、やっぱりレヌッツァは、柑橘やグリルの香ばしさと合うんだね。
ワインに合わせて料理をイメージするとき、
味や香りを想像するのは大事ね。
特に、香りは大きな要素に!
同じ料理でも、スパイスやオイルの使い方で、
ワインとの相性が変化する楽しみもあります。
例えば、ワインに合うかなって思った料理がちょっと違う?ってとき、
スパイスやオイルをひと振りするだけで、相性がよくなる面白さも。

オレンジとトマトの組み合わせ、ぜひワインに合わせてみて!
ちょっとびっくりよ。
今がおいしい季節だから、ぜひ国産オレンジで作ってね。

テジマサチコ

  • レヌッツァ

    白ワイン

    正式名は「レヌッツァ ソーヴィニヨン 2017」
    1900年頃から農業・家畜業で生計を立てていたレヌッツァ家は、1954年より本格的にワイナリーとして歩みを始めた。1990年頃より自然環境を重んじた農法へと移行を始める。現在は7haの畑より約40,000本をボトル詰め。畑では自然との調和・バランスを最も大切にしており、あらゆる植物や生物が暮らす自然環境をそのまま残しつつ、ブドウ栽培を行う。淡い麦わらの色調。レモングラスやスパイス、オイリーなニュアンスも感じます。口に含むと爽やかな果実味が広がります。(ソーヴィニヨン)

    イタリア / フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア

  • カリーム・ヴィオネ(KV)

    赤ワイン

    正式名は「カリーム・ヴィオネ ボージョレー・ヴィラージュ キュヴェ “ KV カー・ヴェー ” 2017」
    1990年、ジャンポールテヴネの兄のドメーヌで16年間働き、2000年にボジョレーの醸造学校に通いつつ、マルセルラピエールやジャンポールテヴネ、ギィブルトンで自然派を学ぶ。2002年からギイブルトンのドメーヌの畑と醸造責任者を兼務しつつ、2006年自らのドメーヌを新しく立ち上げる。カリームのフレンドリーな人柄、ブドウをほうばった時のようなピュアで果実味溢れるワイン、そして本人をモデルにした好インパクトなラベル(ミッシェル・トルメー氏によるデザイン)。「人・ワイン・ラベル」のイメージが見事に一体となっています。(ガメイ)

    フランス / ボージョレー