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ローズボッサ2020の収穫


今年もローズボッサ(の材料になる巨峰)の収穫&仕込みに、
スタッフのみんなで田主丸に行ってきました。

おおまかな手順は、こんな感じ。

収穫
袋つきのまま、房の根元をぱちりぱちりをハサミで切っていきます


選果
袋を開けて、房の一粒一粒を点検し、病気のものや色づきが悪いものをよけていきます。
今年は梅雨が長かったせいか、一房一房が去年よりも小ぶりな印象でした。

徐硬・破砕
徐硬・破砕機にいれて、果実をつないでいる茎の部分(果梗)を取り除いて、果実を軽く潰していきます。

搾り
プレス機を使って搾ります。簡単にいうと、プレス機の中で風船のようなものが膨らんで、その圧力で果実を搾るという仕組みです。量にもよりますが、圧力を調整してじわりじわりと1時間半〜2時間くらいかけて搾っていきます。

果汁ができあがり!
この搾りたての果汁を飲むのが毎年楽しみ。
この果汁の印象が、できあがりのワインにも反映されます。

この果汁が2-3日で発酵を始め、ワインになっていきます。
商品として店頭に並ぶのは、11月のヌーヴォくらいの時期かな。。

そういえば、昨年仕込んだ2019がいまおいしいです!
ふわっと巨峰が香って、口の中に広がるやさしい果実感。
しっかり冷やして飲み口の薄いグラス飲むと、かぷかぷいけちゃいますよ。

ローズ・ボッサ 2019 by studio gogo
福岡の料理には 福岡のワインやろーもん。 「福岡のお米で造った日本酒があるように 福岡のブドウで造ったおいしいワインが飲みたい!」 と 2014 年よりスタートしたとどろき酒店のプロジェクトです。ローズ・ボッサは巨峰ワイナリー協力のもと委託醸造しています。
studio gogoとは、とどろき酒店が企画運営するおいしい福岡県ワインを実現するためのプロジェクト、ブランド名です。

庭のうぐいす古賀杜氏を招いて久しぶりの勉強会

不定期に行なっていたスタッフの勉強会。
3月頃からしばらくお休みしていましたが、感染対策に気をつけながら久々に開催しました。

今回は庭のうぐいすの古賀剛杜氏を講師に迎えて。

古賀杜氏は、とにかく熱い! トークがおもしろい! 会うと好きになる!
杜氏さんです。
蔵に見学に行くと、一番笑う蔵かもしれません。
酒造りについて難しい言葉を使わず、詳しくない人でもわかるように噛み砕いて話してくれます(しかもおもしろおかしく!)。

釣り好きで料理好き。
ボス轟木との付き合いも長く、かつての釣り飲み仲間でもあります。
最近も自分で釣った魚でアクアパッツァを作り、白ワインを飲んだとか。
そうそう古賀さんは最近、うちのワインスタッフ大坪のセレクトにはまっているそう。

さて、肝心のお酒のはなし。

庭のうぐいすといえば、かわいいうぐいすの絵のラベル。
このうぐいすラベルは、とどろき酒店本店がいまの場所に移転してきたと時を同じくして誕生したお酒(2001年頃、もう20年近く前!)です。
定番のお酒でありながら、毎年毎造りアップデートされています。
どんどんおだやかに、飲み続けられるようなお酒を目指しているそうです。
うぐいすラベルの基本となる純米酒(みどりのうぐいす)を今回改めて飲んでみると、
冷やしすぎない方がいい感じの酸が感じられて個人的に好みでした。

今回試飲のお酒の中で特においしい! とざわついたのが、北島さんという契約農家さんのお米を使ったお酒です。
古賀さん曰く、「北島さんはヘンタイ(良い意味で)よ!」。
北島さんのお米で造った「北島80」は、少し前に赤いうぐいすで限定商品として登場してあっという間に完売しました。
また次に登場したらご紹介しますね!

☆庭のうぐいすのお酒はこちら

行ってきました⑫ 追記

約10日間の旅を約1年にわたりご紹介してきましたが(遅筆ですみません)、すでに2019年のワインもちらほら見かけます。
灼熱どころではない暑さの6~7月のその後は雨が少なくブドウにとって恵まれた気候になった地域が多く、2019年は全体的にいいヴィンテージになっているようです!

今回フランスに初めて行って、ブドウ畑のスケールの大きさに一番驚きました。
自分でも頭では分かっていたし、多くの方がフランスのブドウ畑が大きいことをご存じですが、実際目の前にした時の感動がすごかった…。歴史と文化を目の当たりにしたような、そんな感じです。

そして陽が長い!何時なのか全くわからない。全く慣れませんでした。笑
生産者の話を訳を通さず理解できるようになりたいな…とも思いました。話してくれる一言一句、聞き逃すのがもったいない。でもほど遠い話です…。

今はこんな状況なので日本の生産者の方も含めて直に話を聞ける機会はまだ先ですが、少しでも早くそうなることを願います。

おさらいとお買い物はこちらから

フランス行ってきました①

フランス行ってきました② レイナルド・エオレ
レイナルド・エオレのワイン

フランス行ってきました③ クロ・デュ・テュエ・ブッフ
クロ・デュ・テュエ・ブッフのワイン

行ってきました④ピエール・オリヴィエ・ボノーム
ピエール・オリヴィエ・ボノームのワイン

行ってきました⑤ドメーヌ・モス
ドメーヌ・モスのワイン

行ってきました⑥ アレクサンドル・バン
アレクサンドル・バンのワイン

行ってきました⑦ デスクランブ
デスクランブのワイン

行ってきました⑧ シャトー・ド・プラド
シャトー・ド・プラドのワイン

行ってきました⑨ シャトー・ル・ピュイ
シャトー・ル・ピュイのワイン

行ってきました⑩ 格付けシャトー

行ってきました⑪ クロッスリー・デ・ムーシス

行ってきました⑪ クロッスリー・デ・ムーシス

メドックをキャッキャとはしゃいで楽しんだ夜に飲んだワインがこちら。
ボルドーらしからぬ(濃さ、重たさという面で)なんて柔らかいボルドーワイン!とどろき勢が好きな味。

アテンドしてくださった方がこのワイナリー興味あるんだよねー、と。
これまでの怒涛のスケジュールとは打って変わってちょうど次の日は朝からフリー。
明日朝イチ、アポ取ってみる!アポ取れたよ!ということで急遽訪問が決まりました。

ローレンスさんとパスカルさん、友達どうしの女性2人が2009年に立ち上げた、クロッスリー・デ・ムーシス。
ワイナリーがあるメドック地区は大型資本のワイナリーが乱立し、システマティックなワイン造りが多い地区です。そんななかカントナック村とセネジャック村の合わせて1haの畑でブドウを栽培しワインを造る小さな生産者。

カベルネソーヴィニヨンを主に、平均樹齢30年の区画とパルメの付近のフィロキセラから免れた平均樹齢150年(!)というカベルネソーヴィニヨン、カベルネフラン、メルロー、プティヴェルド、カルメネールの混植の畑。ビオディナミによる栽培で剪定、芽かき、葉の摘み取り、収穫など、全ての作業が手作業。

収穫後のブドウも、一粒一粒つぶさないように丁寧に除梗。タンクにブドウ入れ、セミマセラシオンカルボニックにてアルコール発酵(密閉し、タンクの下のほうで潰れたブドウがアルコール発酵して出てきたCO2がタンク内を満たします)。ピジャージュ(タンクの中を混ぜる作業)は週に1回くらい。酸化防止剤も使わない。そのためワインの味わいは、メドックのボルドーワインの印象を覆すほど、ピュアで繊細で滑らか~。しかしその奥にはメドックのニュアンスもきちんとあります。
自社ブドウで造るワインはボトルで650本ほど。買いブドウを合わせての生産は12000本ほど。
本当に小さな生産者ですが、クラシックでもあり前衛的な不思議な魅力にあふれています!

マルゴーから車で10数分。こんな、茂った野道というか山ではないけど山道のようなところに入ります。
ほんとに道が合っているのか不安にかられながらも…

無事にたどり着き、迎えてくれたのはローレンスさん。(この日はパスカルさん不在)

小柄な女性ではにかむ笑顔がかわいらしい、でも芯の強そうな…きらきらと光る瞳が印象的。
南西地方のご出身で、アルザスやロワールのワインを飲んだのきっかけでビオディナミに興味を持つようになったそうです。
「もともとカベルネソーヴィニヨンのワインが好きだったけど、そんなに濃いものを飲んでいたわけじゃない。1950~1970年代のカベルネが好き。1980年代から濃い味わいになっていって…。キュッとした酸を出すのが目標。」という話を聞いた後に試飲をさせてもらいましたが、ローレンスさんが好きな味わいを造られているんだな、とつくづく実感しました。酸がありつつ厚み、ボルドーらしさもあるけどなんせ柔らかい。

自分用にボルドーワインを買うことはまずなかったのですが、ここで1本即購入。割れないように大事に持って帰らないと!

試飲しながら、ボルドーの生産者が醸造面でテクニカルに仕上げるところが多いのは、バカンスをしっかり取る人たちが多いから、というような裏話?もしてくれました。バカンス中、ワインを放っておいてもいいように酸化防止剤を大量に入れる。自分たちが酸化防止剤無添加のワインを造っていると言うと、ものすごくびっくりされるそうです。

その後、ワイナリーからほど近い平均樹齢30年の区画の畑に連れて行ってもらいました。

畑が汚れていない証拠(プラドのベルナールおいちゃんやル・ピュイのマダムにも教わった)であるコクリコの花や野生のネギが生えてます。自生のカモミーユがたくさん。でもカモミーユは砂地だから多いだけだと教えてくれました。土がきれいだからかと思いましたが違ったのね…。

この砂地の80㎝下は粘土になっているそうです。

ブドウも結実。

ボルドー全体でビオディナミを実践しているのは7%。今回、生産者の方の話を聞いたりボルドー市内のお店を回っていて、ボルドーにもナチュール志向な感じがきてるな、と感じていたのですが数字で見るとこんなもんなんですね。これから先どんどん増えると嬉しいです、ナチュール好きとしては。
実際こういう目線でボルドーに注目している生産者や飲み手はじわじわ増えているようです。

クロッスリー・デ・ムーシスはまだ設立10年ほど。
ボルドーでナチュールに取り組む若手生産者として大注目です。

栃木のせんきんに行ってきました!

東京から電車を乗り継ぎ約1時間半、栃木県さくら市に「株式会社せんきん」はあります。

蔵の周辺は奥州街道沿いに宿場町として栄え、多くの商家で賑わっていたそうで蔵に眠っていたひな人形を飾り付ける「氏家雛めぐり」というイベントがこの時期行われており商店街の店先に飾られている華やかでかわいらしいひな人形が私たちを出迎えてくれました。

駅から商店街を歩いて抜けていくと独特な温もりとやわらかさを感じる栃木県産大谷石造りの外壁と石蔵が見えてきます。そうその建物こそが「仙禽(せんきん)」を醸す株式会社せんきんです。創業200年以上というだけあって積み重ねられてきた歴史の重みを感じます。

迎えてくださったのは11代目蔵元であり専務取締役の薄井一樹さんと一樹さんの弟で常務取締役で杜氏の薄井真人さん。二人ともお若いっ!

せんきんは「木桶」を用いて伝統的な製法である「生酛造り」*を再現しています。さらに、江戸時代の手法である「酵母無添加」のスタイルは「EDOスタイル」として超自然派な日本酒造りを行っています。また原料の米は完全な「ドメーヌ化」*を行い、蔵に流れる仕込み水と同じ水脈上にある田んぼで作っています。

蔵の中に入ると早速仙禽ナチュールが仕込まれている木桶が!

この桶は吉野杉で作られているそうで、この大きさの木桶を作れるのは現在大阪の会社1社だけとのこと。真人さんのお話によると吉野杉の板目にとても小さな空気孔が空いているそうでそのサイズと酵母の大きさがぴったり合うのだそう。その酵母はその穴に住みついて次のお酒造りにも役に立つのだそうです。びっくりな話ですね!

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