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<和食>筍の皮の梅ちゅーちゅー( by やーまん) 




春で頭がおかしくなった訳では御座いません。

東京の下町では筍の皮の柔らかな部分に梅を挟み端からちゅーちゅー吸うオヤツがあります。
ご存知の方は10%以下ですがレジェンド斉須政雄シェフの「調理場という戦場」の中にも登場致します。(こち亀にも!)

そしてここからが料理本番。
土中に隠れたままを掘りたての筍。
灰汁抜きせずにさっと湯がいたらフライパンでソテー。テッド ド フロマージュ用に下ごしらえした豚顔肉の煮こごりを、梅と昆布出汁で伸ばして冷たいソースに。少しアルコールは高いがシッカリ酸が残ったローラン・サイヤール ラポーズ2016(現行は2017ですが、完売しています)。筍のほろ苦さと豚のゼラチンをしっかりと受け止めて最後は梅と一緒にいなくなる。散りばめた本枯節も名脇役。一日中畑仕事の後はサンスフルがより一層気持ち良い!

ローラン・サイヤールのワイン



 

<和食>春を感じる炒め物

タケノコは掘るという行為からすでに美味しい。

我が家のシェフ(妻)はセリの野草のような風味と合わせて春を感じる炒め物に。
合わせたワインはロワールのクリスチャン・ヴニエ レ・カルトリー2017白。白桃や白い花の香りに柔らかな口当たり。アフターにシャキッとした酸がセリのほろ苦さと馴染みます。

ヴニエのワインはどれも主張が強くなく、ともすれば地味な印象さえ持たれてしまいますが、この穏やかさこそが魅力。白も赤もじわ~っと旨味が広がるまさにテーブルの名脇役。近々新作も入荷予定です。


タケノコとセリの炒め物
オリーブオイルとにんにく入れて火にかけ、香りがでたらタケノコを投入。
水分を軽く飛ばし塩を振る。和えたらセリを入れ、しょうゆをひと回し。
手早く合わせてお皿に。仕上げにオリーブオイルをかけて完成。僕は何もしてませんが。。

クリスチャン・ヴニエのワイン



<スイーツ>日本酒/独楽蔵 悠五年  “チョコとコシュ”

チョコレートと日本酒を組み合わせるということを意識したのは、まだ酒屋ではなかった20代後半のこと。

その頃福岡県酒造組合との仕事を担当していた私は、味にうるさい(味わうこと自体が人生の)酒造りのプロの方の話を聞くことが日常になっていました(たまたま担当した仕事だったので、今となっては幸運というしかない)。

あるとき杜の蔵の森永一弘さん(現蔵元)が、日本酒の古酒と合わせてカカオ比率たった数パーセントの違いのものをいくつも食べ飲み比べてるんだという話を聞き、へー、そんな細かな違いでそんなに違うものなのか。お酒の世界というのはまったくもの好きな世界だよなあ…と人ごとのように思っていたものでした。

バレンタイン前なので、そんなことを思い出しながら、今となっては基本的にテッパンと思われている古酒とチョコレートの組み合わせを改めて味わってみることに。

独楽蔵 悠 (はるか)五年に合わせてみたのは、
イタリアのチョコAと日本のカカオ成分72%のチョコB。

ちなみに成分はそれぞれこんな感じ。

チョコA…カカオ、きび砂糖、オレンジピール
チョコB…カカオマス、砂糖、ココアパウダー、ココアバター/乳化剤、香料、(一部に乳成分・大豆を含む)

お酒が常温の状態だと、チョコAがおいしい。
シンプルな材料で乳化剤が入っていないのでザクザクした食感、
オレンジピールのほろ苦さと古酒の酸が爽やかに合って心地いい。
チョコBはしっかり固まっているので、常温のお酒とは絡みづらい。
口の温度でしっかり溶かした上でお酒を含むといいのかな。

そのお酒をちょっとお燗つけてチョコBを合わせると、
口のなかでねっとりと絡まりあって、これはいい感じ。
チョコAとは、お酒の香ばしさでカカオの香りがさらに引き立ってこれまたいい。

食後にひと欠片と半合。
ささやかなようで、けっこう満足燗…感あります。


このイタリアのチョコはオレンジビール入り以外に、岩塩入り、シナモン入りなどあり、
とどろき酒店、薬院stand!店頭で販売中です!

杜の蔵のお酒



<中華・エスニック>エスニックと焼酎のエポックメイキングな出会い


「焼酎に合うならお味噌でしょう」と春の木の芽味噌をイメージして、
モン・アン・エスニックのシェフが考案してくれたのは、
タケノコの香菜味噌和え。

香菜の青い香りのあとを追っかけてくるタケノコのみずみずしい甘み。
そこに大和桜の水割り(氷が溶けて少しメロウな感じになったものがよりよい)を含むと、
タケノコの甘みと芋の甘みとが相まって、鼻腔に抜けていくことのさわやかさといったら!

もちろんビールでもワインでも日本酒でも合うでしょう。
しかし、ビールでもワインでも日本酒でも、
このマッチアップはしないでしょう。
鼻に抜けてたちのぼる新しい春の風は、
芋焼酎が運んでくる風~
病みつきです。

Recipe
タケノコの香菜(シャンツァイ)味噌和え

材料(作りやすい量)
タケノコ(アク抜きしたもの) 150gくらい
パクチー           3枝くらい

A
白味噌    小さじ2
ナンプラー  小さじ1
干しエビ(砕いて粉状にしたもの) 小さじ1/2
さとう    ひとつまみ
塩      ひとつまみ

クミン    3粒

1、アク抜きしたタケノコ(タケノコの水煮)をサイコロ状に切る
2、香菜をざく切りにし、すり鉢でペースト状になるまですりつぶす
3、②にAの調味料を一つずつ加えてはよくまぜ、
  最後にクミンを入れすりこぎでトントンと軽く叩いてつぶす
4、③に①のタケノコを加え、ざっくりと和える
5、器に盛って、完成!

大和桜の焼酎