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スタッフ研修で山口に行ってきました! 「三蔵目 貴(たか)編」by 水上

阿武の鶴酒造から日本海沿いを走らせ次に向かうのは山口県宇部市に蔵を構える「永山本家酒造場」。日本海側から瀬戸内海側へと山口県を縦に横断です。漁師町から徐々に山間の農村エリアへ、山口県の広さを感じさせられました。山間を走ってると大正、昭和感を漂わすレトロな建物が目に入ります。その建物こそ貴(たか)を醸す永山本家酒造場なんです。昔の役場を改装し事務所&物販ブースを設けてるスペースがなんともお洒落!タピオカが出てきそうなカフェに来てるみたい。

2階はホールになっており木桶で出来たテーブルなど所々に酒蔵らしさが散りばめられ、これまたお洒落ー!
そして柔らかなオーラを醸し出しながら永山貴博さん(通称ゴリさん)登場。

明治21年創業の永山本家酒造場。現在の代表取締役兼杜氏の貴さんになり、当時当たり前のように出回ってた活性炭濾過のお酒に疑問を持たれてました。そしてこれからの「貴」の方向性を決めるきっかけとなったのは2007年にフランスの自然派ワイナリーへ訪問したのが大きいと貴さんはいいます。自然派ワインの「造り手の顔が見える」ワイン造り、ぶどうが育った畑が感じられ人間臭さが伝わるワインに感銘を受けたそう。今、貴さんは農業法人を立ち上げて周りの農家と共に山田錦造りを行っています。地元の田んぼて育てたお米を地元の酒蔵が醸す。本来の日本酒が持つ姿を形にしようと挑戦しています。

蔵内は仕込み真っ只中。ほのかなお酒の香りとヒンヤリとした空気が神秘性を漂わせます。お米を蒸すコシキ(甑)は上から下の冷却機へ落ちるようになってます。
麹米を製麹(せいきく)する麹室(こうじむろ)は日本酒造りの要になる部屋です。新しく改装され、製麹に使われる最新のハクヨーは五段の層になって造られます。

冷蔵完備かれたタンク室。この中で発酵から搾りまで行われ、搾ったお酒は全て瓶貯蔵されます。フィリップ・パカレのワイナリーに訪れた際「酸化は一番の大敵だ」との話を聞いてタンク貯蔵はしてないとのこと。瓶貯蔵用の冷蔵完備した倉庫は寒かったー!

2019年より白ラベルの山廃以外は全て生酛造りで仕込んでおり、古来から行われていた醸造技法でお酒を醸しています。酵母も香り系酵母は10年近く使っておらず、地元で造られたお米本来の味わいを楽しんでもらい、地元農家の顔、造り手の顔を感じてほしいと貴さん。日本の農村地区では、休耕畑が増えてる現状、今の農業を見つめ直し本来の価値を見出すsustainableな取り組みにチャレンジしていく貴さん率いる永山本家酒造場は、その取り組む姿までもがお洒落で輝いていました。

貴のお酒はこちら
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