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行ってきました!秋鹿酒造!

こんにちはモーリーです!
先日大阪の秋鹿酒造へお邪魔させてもらいました。

秋鹿といえば、骨太でコク深い味わいの日本酒、熟成なども手掛けるワイルドな印象です。それで、実際どんな造りをしてるんだろうとずっと気になってました。大阪まで新幹線、そこからレンタカーを借りて市内から箕面市方面へ車を走らせます。道中でダルマ寺で有名な勝尾寺の標識を発見!個人的に一度は訪れたいお寺に心高ぶるのをグッと我慢…ちょっとよりたいなぁ…我慢!横目に通り過ぎて行く頃には周りが段々と深い山間に。レンタカーのナビもいつしか道無き道を走ってる。この道であってるのかなぁと不安にかられながらもなお深く険しい山道に。車1台が通れるような狭い道を抜け、2、3山ぐらいを過ぎた頃にやっと人里らしい開けた道へとたどり着きました。ちょうど周りの田んぼは稲刈りシーズン。窓を開けると黄金色の穂をなびかせる心地よい風が、刈りたての稲の香りを運んでくれます。道には苦戦しましたが、どうにか蔵元へ到着。蔵では奥裕明杜氏が案内してくれました。白髪でスマートな柔らかい雰囲気を感じさせるステキな方。て秋鹿の骨太さとは正反対の印象を受けました。

蔵内は昔ながらの味のある建物。麹はツキハゼ麹よりも、しっかりお米を溶かし旨味が出るように全麹に仕上げます。

秋鹿一番の特徴である山廃造りと生酛造りの酒母室、速醸造りの酒母室は別々に分かれており、室温管理は基本的にはせず、冬の極寒の時期に暖めるぐらいだそうです。最近では蔵内全部が温度管理されて、一年中涼しい環境で造る蔵が増えていますが、すでにこの段階で秋鹿のワイルドな片鱗を感じさせます。

洗米はウッドソンで洗われた後、ホースを通って甑室へ。ネット内に運ばれたお米を限定吸水後、ネットごと甑内へ運び蒸されます。

醪タンクでは、秋鹿酒造はカイ入れをしない。お米を入れたタンク内を混ぜないというから驚きです…「酵母の発酵により自分達で対流を生み混ざって行きます。カイを入れない方が酵母の邪魔をしないので、酵母の特性が良く出てくるんですよ」

小仕込みの為、タンクは900Kg。大吟醸クラスは700Kgで別室で仕込まれます。

絞りはヤブタ式(圧搾機)と袋吊りの2種類です。ヤブタ式は時間をかけて丁寧に絞っていきます。お米の旨味をしっかり溶かし込む為、全体の3割ほどの酒粕しか出ないそうで、なるほど旨味が凝縮されてるわけだ。袋吊りは出品酒用で絞る事がほとんどです。

最新の設備に頼らず、お米と麹の掛け合いを邪魔せずに手造りにこだわる。だから厳しい環境に揉まれ酒質の強いお酒になるんだと感じました。

22度に管理された貯蔵庫。

自家用精米機、高精米の熟成酒とかそのうち出てくるのかなぁ…

次は秋鹿の自営田へ!なんとなく奥さんウキウキしてるように感じます。歩いて3分ほどで見えてきた田んぼは2反ほどの広さが3つ箇所あり、全て苗床用に使用します。田んぼは他に25ヘクタールほどを無農薬で栽培。契約栽培の農家さんも周囲に点在しており、能勢一体で秋鹿のお酒を支えているんだなぁと実感しました。すぐ隣に乾燥機がある倉庫が完備され、収穫した後の籾殻が山盛りになってました。この籾殻は収穫した田んぼへの肥料になります。他にも乾燥機後に赤外線でお米以外の他種を取り除く機械なども。

この機械だけでも高級車が買えるほどのお値段!さらに田んぼの奥へ進むと、まだ真新しい農機を収納する倉庫が見えてきます。
新型のトラクター、最新の平地機械、国内で2番目の大きさの耕運機などなど。蔵とのギャップが凄い設備でした。また、農業機械を説明する奥さんが目をキラキラさせながら「酒蔵なのか農家なのか分からないでしょ?笑」と子供のような笑顔。

一貫してお米造りからお酒造りを手掛ける、なかなか真似できないし容易な事ではないですが、秋鹿酒造はこれをやってる。しかも完全無農薬で!秋鹿酒造のお酒が何故お米の旨味にこだわり、今の流行りに見向きもせずブレないのか。原点に触れて、骨太に感じてたお酒が少し優しく感じれた旅でした。


蔵元の入り口に掲げてある「一貫譲農」の看板。